会津桐について


わずか1.8%の国産材
- 会津桐の希少性 -

国内で流通する桐材は中国桐を始めとする外材が98.2%以上を占め、国産の桐は1.8%以下の生産に留まっています。その背景には、外材の桐が安価に流通されるようになったことで、国内の桐の植栽農家が減少したことも要因になっています。そのような中、1600年頃から植栽歴を有する、「桐の里」と呼ばれる西会津三島町では、地域一体となって上質な会津桐を育苗から植栽にわたって、今でも守り続けています。

 厳冬で育つ会津桐
絹様光沢の木肌と太く明瞭な木目

福島県奥会津三島町は冬に積雪が2mを超えることもある豪雪地域です。厳しい冬を越えることによって、会津桐のくっきりとした太く綺麗な木目が現れます。会津桐は国内で生産されている桐の中でも最上級品と謳われており、他の桐材以上に綺麗な光沢と緻密な木質が相俟った美しい桐材です。その材質は、国宝級の文化財の収蔵箱の素材として指定されるほど秀でたものです。会津特有の厳しい寒さと湿潤な風土が、希少な価値を生み出しています。 

圧倒的な気密性と優れた調湿効果

桐は温度や熱に敏感な性質を持ち、必要以上の湿気を中に進入させないことで、箱内の湿度を一定に保つ良材として古くより知られています。また、タンニンやパウロニンなどの高い防虫作用のある成分が含まれています。箪笥や衣装箱のみならず、米びつ、茶筒などの商品に適しているのはそのような理由があります。


乾燥、渋抜き

良質な会津桐材として使えるようになるまでに、伝統的な方法で乾燥、渋抜きを行います。仕入れた丸太を数種類の厚みに製材し、工場内の板干場に立てかけ、陽に当て雨や雪にさらす天干をして渋抜きと乾燥を行います。2~3年後には15%程度まで乾燥した状態になります。この間の雨、雪そして乾燥の繰り返しにより桐特有のシブが抜けていきます。同時に、風雪によって弱い板は淘汰され、耐え抜いた強い板からそれぞれの部材に合った板を選別して使います。そしてさらに風呂に入れて煮沸します。毎日水を取り替えながら1週間から10日程度続けます。水が濁らなくなったら風呂から出して乾燥室に入れ、極限まで1週間程度乾燥します。このように根気のいる、丁寧な過程を経て、最高級の桐材が仕上がります。